用語集 監修:がん研究会有明病院 副院長 総合腫瘍科部長 ゲノム診療部長 髙橋 俊二 先生 用語集 監修:がん研究会有明病院 副院長
総合腫瘍科部長 ゲノム診療部長 髙橋 俊二 先生

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あ行 あ行

悪液質 ( あくえきしつ )

進行がんの半数以上で生じる病態です。正常な細胞や組織から栄養分を奪う、がん細胞の性質が原因となります。主な症状は体重の減少や食欲不振、疲労感などです。

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悪性新生物 ( あくせいしんせいぶつ/悪性腫瘍(あくせいしゅよう) )

通常の細胞の遺伝子が傷つき、無秩序に増える能力を持った細胞になることを「腫瘍化」といいます。異常な細胞が周りに広がったり(浸潤:しんじゅん)、遠くの臓器に移動してそこで増える(転移:てんい)という能力を持ち、命に関わるものを「悪性新生物/悪性腫瘍といいます。悪性新生物は体や臓器の表面にできる「がん」と、骨や筋肉にできる「肉腫(にくしゅ)」にわけることができます。

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異形成 ( いけいせい )

普通の細胞がもっている構造がこわれることです。細胞内にある核が大きくなり、形がゆがみ、そのために秩序正しく整列することができなくなります。異形成の度合いや違いを「顔つき」と呼ぶことがあります(例:あなたのがんの顔つきは…)。顔つきが良い、つまり正常な細胞に近いと「良性」、もしくはがんになる前の段階である「前がん状態」の可能性が高く、顔つきが悪い、つまり正常な細胞とかけ離れていると「悪性」の可能性が高くなります。

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一般名 ( いっぱんめい )

薬の薬効成分(有効成分)の化学名で、製品の名前とは異なります。→製品名

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遺伝子 ( いでんし )

生物の設計図であるDNAを指します。

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遺伝子診断 ( いでんししんだん )

血液や組織から遺伝子を取り出し、何百倍、何千倍にも増やして配列や変異(変化)を調べる検査です。最近のがん医療では、より効果的で副作用が少ない治療法を選択するために遺伝子診断が行われています。

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医療用麻薬 ( いりょうようまやく/オピオイド )

モルヒネやコデイン、フェンタニルなど痛みの治療に使われる医療用の麻薬類のことです。医師の管理の元で正しく使えば依存性や意識障害が生じることはありません。

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インフォームド・コンセント ( いんふぉーむど・こんせんと )

医師の十分な説明に基づいて患者本人、ご家族が納得したうえで治療に同意することです。複数の選択肢がある場合には特に「インフォームド・チョイス」と呼ばれることもあります。

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エストロゲン ( えすとろげん )

主に卵巣でつくられる女性ホルモンです。乳がんや子宮がんを増殖させる働きがあります。一方で、前立腺がんに対してはがんの増殖を抑えるように働きます。

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X線検査 ( えっくすせんけんさ/レントゲン検査 )

組織や骨がX線を吸収する性質の差により、からだのなかを調べる検査です。たとえば脂肪や筋肉はX線が通過しますが、骨は吸収するので影として写ります。骨転移によって骨量が減り、骨がスカスカになるとX線が通過するため、病変が発見されます。

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MRI検査 ( えむあーるあいけんさ )

磁気共鳴像検査とも言います。巨大な磁石のなかに入り、体に電波をあてて体のなかを調べる検査です。たて、よこ、ななめ、輪切りなど鮮明な診断画像が撮影できるので、診断の役に立ちます。放射線を使わないので被爆の心配もありません。

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遠隔転移 ( えんかくてんい )

がん細胞が最初にできた「原発巣(げんぱつそう)」からリンパ液や血液にのって遠くの臓器に移動し、そこで増え始めることです。転移には血液による「血行転移(けっこうてんい)」リンパ節を経由する「リンパ行性転移(りんぱこうせいてんい)」、肺がんに特有の気道を通って転移する「経気道性転移(けいきどうせいてんい)」があります。転移(てんい)と略されて使われます

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エビデンス ( えびでんす )

ある治療法が良いと判断できる証拠を指します。世界中の研究者、医療者、そして患者さん、ご家族の協力によって長い間に蓄積されてきた研究成果です。医師はエビデンスに基づいて、あなたに最適な治療法を提供しようと努力しています。

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Mタンパク ( えむたんぱく )

骨髄腫のがん細胞がつくりだす異常な免疫タンパクのことです。多発性骨髄腫では血液や尿のなかにMタンパクがたくさん出ています。

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か行 か行

化学療法 ( かがくりょうほう/ケモセラピー )

合成された薬をつかってがん細胞が増えるのを抑えたり、死滅させる治療法です。薬物療法と同じ意味で使われます。医師は「ケモ」と言うことがあります。

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化学放射線療法 ( かがくほうしゃせんりょうほう )

抗がん剤と放射線を組み合わせて行う治療法です。先に放射線をあてたり、薬と同じ時期に放射線治療を行ったりと順番は様々ですが、お互いの治療効果を高めることが期待できます。

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寛解 ( かんかい )

一時的、あるいは永続的にがんが縮小、または消失している状態です。寛解状態になっても、がん細胞が再び増え始めたり、活動を始めることはあるので、寛解状態が長く維持できるように治療を続けることもあります。

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完全寛解 ( かんぜんかんかい )

全てのがんが消失し、新たながんが出現していない状態が続くことです。

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緩和ケア ( かんわけあ )

がんに伴う痛みや心の不安、経済的な不安など「辛い」症状を和らげる方法です。終末期医療と混同されることもありますが、近年のがん医療では早期からの緩和ケアで心身の苦痛や辛さを取り除き、治療に前向きに取り組むことが重要です。実際に、緩和ケアをしっかり行うことで延命効果が期待できます。

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緩和ケアチーム ( かんわけあちーむ )

緩和ケアを専門に行うチームです。一般的に担当医からの依頼を受けて痛みの症状や不安や抑うつなどの精神症状、また医師とのコミュニケーションのサポートや経済的な問題など、治療を行ううえで障害になる課題に対応します。緩和ケアチームは緩和ケア医師、看護師、精神科医、薬剤師、ソーシャルワーカーなどで構成されています。

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外照射 ( がいしょうしゃ )

放射線治療のうち体の外から放射線をあてる方法です。最近はコンピュータでがん塊の形にそって照射ができる三次元原体照射やIMRT(強度変調放射治療)が使われています。→組織内照射

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がん検診 ( がんけんしん )

がんの早期発見により死亡率を下げることを目的とした集団検診を指します。

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がんサバイバー ( がんさばいばー )

狭義には、がんの長期生存者、経験者のことです。しかし発祥の地である米国では「治療中や治療後、診断後の年月にかかわらず、診断されたときから人生の最後まで、がんと向き合い、積極的にがんとともに生きていく人々」を意味します。「自分らしく生きる」という宣言がこの言葉に込められています。

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気管支鏡 ( きかんしきょう )

肺がんの検査で使う機器です。やわらかくて細い内視鏡を口から入れて、気管支を観察するほか、細胞診に必要な組織を採るさいにも使われます。事前にスプレータイプの局所麻酔をするので、痛みはありません。

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QOL ( きゅーおーえる )

クオリティ・オブ・ライフの略で、生活の質のことです。患者さんの心身状態、社会的、経済的なことを含めたすべての生活の質を意味します。治療法を選択する際は、治療効果だけではなく、副作用などのリスクが生活の質にどう影響するのか、自分らしい生活の質を維持するには何が必要なのかなどを考慮することも大切です。

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局所再発 ( きょくしょさいはつ )

切除した原発巣の近くでの再発を指します。

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局所療法 ( きょくしょりょうほう )

がんのできている場所とその周辺に対して行われる治療です。外科療法(手術)や放射線治療がこれにあたります。→全身療法

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クール ( くーる )

化学療法などの治療計画で一区切りとなる単位。ワンクールという言い方をします。コース、サイクルも同じ意味で使われます。

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血液検査 ( けつえきけんさ )

血液を採取し、血液の流れに乗って移動している赤血球や白血球、血小板などの血液細胞の数やタンパク質の形態を調べる検査です。多発性骨髄腫の診断ではとても重要な役割を果たします。

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原発巣 ( げんぱつそう )

最初にがんができた場所を指します。例えば、最初に肺にがんができて、そのがん細胞が骨や脳に転移したとしても原発巣は「肺がん」です。がん細胞は遠くの臓器に転移した後も原発巣の性質を持ち続けます。したがって、転移場所が骨や脳であっても「肺がん」に効果がある薬を使って治療が続けられます。

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高カルシウム血症 ( こうかるしうむけっしょう )

血液中のカルシウム濃度が高くなっている状態です。骨からカルシウムが溶け出すことで生じます。初期症状では便秘、吐き気、腹痛、食欲不振、多量の尿があります。重症になると、意識障害や昏睡など重大な影響があらわれます。

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抗がん剤 ( こうがんざい )

がんの治療に使われる薬を指します。がん細胞が増えるのを邪魔したり、死滅させる働きがあります。点滴のイメージが強いですが、最近は注射や飲み薬による治療も増えています。

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高額療養費制度 ( こうがくりょうようひせいど )

的医療保険制度のひとつです。医療機関や薬局の窓口で支払った金額が月の初めから終わりまでで一定の金額を超えた場合、超えた分について支給されます。所得や年齢によって自己限度額の上限が定められています。くわしくは加入健保組合や自治体の医療福祉課、病院の会計、相談窓口でおたずねください。

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骨シンチグラム ( こつしんちぐらむ )

弱い放射線を出す薬を注射し、骨の異常を調べる検査です。

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骨髄 ( こつずい )

赤血球や白血球、血小板をつくるための、骨の中にある工場です。そこには全ての血液細胞の元になる「造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)」があり、全ての血液細胞がつくられています。

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骨髄穿刺 ( こつずいせんし/骨髄検査(こつずいけんさ) )

胸の真ん中の骨や、腰骨にある腸骨(ちょうこつ)に針を指して、骨の中にある骨髄組織をとる検査です。注射器で骨髄を吸い取る穿刺吸引法(せんしきゅういんほう)と、なかが空洞になっている針を腸骨に刺して組織を採取する針生検法(はりせいけんほう)があります。多発性骨髄腫の診断では欠かすことのできない検査です。

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骨転移 ( こつてんい )

骨に原発巣のがん細胞が移動し、増えはじめた状態です。骨転移しやすいがんとしにくいがんがあり、骨転移しやすいがんでは乳がん、前立腺がん、肺がんが知られています。

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骨芽細胞 ( こつがさいぼう )

骨をつくる細胞のひとつです。骨は鉄筋コンクリートのような構造をしています。柔軟性を持つ鉄筋にあたるのがコラーゲンなどのタンパク質、柱と柱の間をすきまなく埋めるセメントにあたるのがカルシウムからできる物質です。骨芽細胞は骨をリフォームする「建築士」の役割を果たしており、コラーゲンから鉄筋をつくり、カルシウムでできたセメントを固める働きをしています。→破骨細胞(はこつさいぼう)

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5年生存率 ( ごねんせいぞんりつ )

がんと診断されてから一定期間後に生存している確率を生存率といいます。通常は治療後に5年経過したときの生存率を治った目安としています。乳がんは進行がゆっくりしているため10年生存率が目安とすることが多いようです。

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さ行 さ行

剤形 ( ざいけい )

薬の形のことです。粉末、錠剤、カプセル、シロップ、塗り薬、注射剤などさまざまな形があります。治療効果が最も発揮できること、病巣にきちんと届くこと、そして使いやすさを考えて決められています。

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在宅医療 ( ざいたくいりょう )

病院ではなく自宅で病気の療養をすることです。外来に通院しながら治療を続けている場合も含まれます。必要に応じて医師や看護師、薬剤師、理学療法士などの訪問診療、訪問リハビリテーションが受けられます。

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再発と再燃 ( さいはつとさいねん )

治療がうまくいったように見えても、手術で取り切れなかった小さながんが再び出現したり、抗がん剤や放射線治療で縮小したがんが再び大きくなることを再発と言います。原発巣の近く以外にも遠くの臓器に「転移」してみつかったケースも再発です。再燃は病気の進行がとまっていたがん細胞が、再び活溌に増えはじめることです。

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支持療法 ( しじりょうほう )

がんに伴うつらい症状の治療や抗がん剤の副作用に対応する治療のことです。吐き気に対する吐き気止めや、白血球を増やす薬の投与、貧血や血が止まらなくなる状態への輸血など、症状をやわらげる治療が行われます。このほか、栄養状態の悪化を防ぐために栄養剤の点滴や中心静脈栄養が行われることもあります。

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CT検査 ( しーてぃーけんさ )

コンピュータ・トモグラフィの略で、体の周囲からX線をあて、輪切りの画像を撮影する検査です。

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集学的治療 ( しゅうがくてきちりょう )

治療に関わるあらゆる手段と診療科の力を結集した治療を指します。具体的には手術と化学療法、放射線と化学療法などの治療手段の組み合わせや、外科、放射線科、腫瘍内科、麻酔科、精神科、リハビリテーション科など診療科の垣根をこえて複数の医師が関わる治療のことです。組み合わせによっては予想される副作用や治療期間が違ってくるので、担当医とよく相談することが大切です。

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腫瘍マーカー ( しゅようまーかー )

がん細胞によってつくられる特殊な物質で、血液や尿、便から検出できます。補助的診断や経過観察に用いられます。腫瘍マーカーの数値だけで、がんかどうかを診断することはできません。

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重粒子線治療 ( じゅうりゅうしせんちりょう )

炭素イオンビームを用いた放射線治療の一種です。がん細胞がある場所に線量を集中できるので、体の表面からがん細胞の周りにある正常な組織へのダメージが最小限ですむという特徴があります。首から上に発生するがん、前立腺がん、肉腫などに効果があります。先進医療制度で利用できます。

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進行がん ( しんこうがん )

手術で完全に取り除くことができないがんをさします。

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浸潤 ( しんじゅん )

水が地面にしみ込むように、がん細胞が周囲に広がっていくことです。

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ステージ ( すてーじ/病期(びょうき) )

病期分類ともいいます。がんの大きさやリンパ節、他の臓器への転移の有無から進行度を評価するための基準です。治療法を選ぶときの目安となります。

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生検 ( せいけん )

病変の細胞や組織をとって、顕微鏡で詳しく調べる検査です。手術時や内視鏡検査時に組織をとったり、体の外から超音波やCTでがんの位置を確認しながら針を刺して細胞を採取することもあります。採取した細胞は、病理診断医ががんの「顔つき」(悪性度のこと)を調べたり、遺伝子診断の検体としてもつかわれます。

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生存期間 ( せいぞんきかん:OS:オーエス )

治療の評価のひとつで、その治療が開始されてから死亡するまでの期間を指します。死因ががんであるのか、心臓発作など他の原因であるのかは問いません。以下に、生存期間に関する用語を説明します。

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生存期間中央値 ( せいぞんきかんちゅうおうち:MST:エムエスティー )

治療開始時から数えて生存率が50%を下回るまでの期間です。

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無増悪生存期間 ( むぞうあくせいぞんきかん:PFS:ピーエフエス )

治療を開始してから、勢いが衰えたがん細胞が再び進行し始めるまでの期間です。画像上の診断や腫瘍マーカーの数値から判断します。

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製品名 ( せいひんめい )

薬の商品名です。薬は有効成分として含まれている化学物質の一般名で呼ばれることもあります。→一般名

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セカンドオピニオン ( せかんどおぴにおん )

主治医の診断や治療方針に対する、別の医師の意見のことです。自分にとってより最善・最良と考えられる治療法を選び、患者さんとご家族が納得してがん治療に向き合うためのひとつの手段で、医師や病院を変えることが目的ではありません。時にはセカンドピニオンを受けることで、気持ちの整理がつくこともあります。

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先進医療制度 ( せんしんいりょうせいど )

公的医療保険が適用されない医療を受ける場合は、全額自己負担が原則です。先進医療制度はこの原則に例外を認めるものです。先進医療として認められた医療技術については、「先進医療」にかかる費用分は自己負担ですが、それ以外の検査や入院費用、薬などは保険診療として扱われます。先進医療は一定の条件を備えた医療機関でしか受けることができません。

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全身療法 ( ぜんしんりょうほう )

病変(がん細胞の部分)だけではなく、全身に散らばった目にみえないがん細胞に対する治療です。主に、化学療法のことをさします。

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センチネルリンパ生検 ( せんちねるりんぱせいけん )

がん細胞から一番初めに転移があるだろうと思われるセンチネルリンパ節(見張りリンパ節)の組織をとり、転移があるかどうかを確認する検査です。通常は手術中に行われます。センチネルリンパ生検で転移が確認されない場合は、それ以外のリンパ節は切らずに残すことができます。

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造血幹細胞 ( ぞうけつかんさいぼう )

骨のなかの「骨髄(こつずい)」にある赤血球や白血球の元になる細胞です。

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組織内照射 ( そしきないしょうしゃ/ないしょうしゃ )

小さな金属容器に放射性物質を密封し、がん細胞周辺に埋め込む治療法です。とても近い位置から放射線を照射できるので、正常組織にかかる放射線量を低く抑えることができます。放射線物質は一定の時間が立つと照射量が減っていきます。→外照射

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た行 た行

中心静脈栄養 ( ちゅうしんじょうみゃくえいよう )

手術後など口から食事ができないときに栄養状態を維持するため、鎖骨の下や首、肘の静脈から心臓の近くまでカテーテルを入れ、高カロリーの液を継続して点滴する方法のことです。

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超音波検査 ( ちょうおんぱけんさ )

エコー検査ともいいます。超音波を体の表面にあて、体のなかで反射する様子からなかの様子を観察する検査です。

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TNM分類 ( てぃーえぬえむぶんるい )

治療を決めるときの目安として、がんの病期(ステージ)を評価する方法です。Tは原発巣のがんの広がりをさします。Nはリンパ節転移の有無、Mは遠くの臓器への転移(遠隔転移)有無をさします。T1N0M0(がん塊はあるが3cm以下で浸潤はしていない、リンパ節やほかの臓器への転移はない)のように表現をし、アルファベットの横の数値があがるほど病期が進んでいるということになります。

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テストテロン ( てすとてろん )

主に精巣でつくられる男性ホルモンです。前立腺がんを増殖させる働きがあります。

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転移 ( てんい )

がんが最初に発生した場所から、血液やリンパ液にのって遠くの臓器に移り、そこで増えることをさします。

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な行 な行

内分泌療法 ( ないぶんぴりょうほう/ホルモン療法(ほるもんりょうほう) )

特定のホルモンに反応して増えるがんに対し、その反対の作用があるホルモンを使ってがんの増殖を抑える治療法です。乳がんや前立腺がんでは治療の柱のひとつです。

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は行 は行

破骨細胞 ( はこつさいぼう )

骨をつくる細胞のひとつです。骨は鉄筋コンクリートのような構造をしています。柔軟性を持つ鉄筋にあたるのがコラーゲンなどのタンパク質、柱と柱の間をすきまなく埋めるセメントにあたるのがカルシウムからできる物質です。破骨細胞はいわば「建物の解体業者」です。古くなった「セメント」や「鉄筋」を溶かし続け、「建築士」の骨芽細胞が骨の「セメント」や「鉄筋」を新しくリフォームしやすいように働きます。また、カルシウムは神経の伝達や筋肉の収縮にかかわる大切なミネラルです。万が一、カルシウムが足りなくなったときは、破骨細胞が反応して骨からカルシウムを溶かして血液中に放出します。これが行き過ぎると「高カルシウム血症」が生じ、様々な不調の原因となります。

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標準治療 ( ひょうじゅんちりょう )

その治療は効くという証拠に基づいて、現時点で利用できる最良の治療として関連学会などから推奨されている治療です。最先端の治療とは限りません。一般に、最先端の治療はまだ副作用や最良の使い方に関する情報が少なく、試験的なものになりがちです。何年かの慎重な検討を経て、それまでの標準治療よりも優れていることが証明されてはじめて新しい標準治療として認められます。

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病理検査/診断 ( びょうりけんさ、しんだん )

病変の一部をとり,顕微鏡でくわしく観察することです。病理専門医によって行われます。がんの診断にはとても重要な検査です。

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副作用 ( ふくさよう )

薬の作用のなかで、治療に必要なもの以外の作用を副作用といいます。薬には大なり小なり副作用があるものですが、抗がん剤では口内炎や吐き気、食欲不振のほか、免疫力の低下、貧血、脱毛などが知られています。抗がん剤の副作用のほとんどは一時的なものであり、治療が終われば副作用にともなう症状はなくなります。まれに、治療が終了しても回復しない場合や、長い間経ってから出現する副作用もあります。担当医にきちんと説明してもらいましょう。

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分子標的薬 ( ぶんしひょうてきやく )

がんに特有のタンパク質や分子に的を絞って攻撃する新しいタイプの抗がん剤です。正常な細胞に対する毒性はこれまでの抗がん剤よりも低いと考えられます。その一方で、これまでに見られなかった副作用が現れることもあります。

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ベスト・サポーティブ・ケア ( べすとさぽーてぃぶけあ )

抗がん剤などによる積極的ながん治療を行わず、症状に対応する治療のことです。痛みや貧血、食欲不振、全身けん怠や不安などに対し、鎮痛薬や貧血を改善するお薬を使ったり、食事療法や運動療法などの手段で最適なケアを提供します。

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放射線療法 ( ほうしゃせんりょうほう )

がん細胞を放射線で死滅させる治療法です。

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補完・代替医療 ( ほかん、だいたいいりょう )

日本補完代替医療学会では「現代西洋医学領域において、科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系の総称」としています。具体的には漢方やアロマセラピー、鍼灸、マッサージなどをさします。アロマセラピー、鍼灸、マッサージについては緩和医療として一定の効果が認められています。

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ホルモン療法 ( ほるもんりょうほう )

内分泌療法(ないぶんぴりょうほう)を参照

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や行 や行

薬剤耐性 ( やくざいたいせい )

薬が効きにくくなること。

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予後 ( よご )

病気や治療の経過についての見通しのことです。「予後がよい」は病気が良くなる可能性が高いことを意味します。「予後が悪い」は病気が進行する可能性が高いということです。

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ら行 ら行

ランクル ( らんくる )

骨は常に古い骨を溶かし、新しい骨をつくることで、いつも新しい丈夫な骨であるようにリフォームを繰り返しています(正しくはリモデリングといいます)。正常なリモデリングでは、古い骨を壊す力と新しくつくる力は均衡がとれています。このバランスを調節する働きを持つタンパク質を「ランクル」と呼びます。ランクルの働きが弱くなると骨の破壊が止まり、ランクルの働きが強くなると骨の破壊がどんどん進みます。

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罹患 ( りかん )

新たに、ある病気と診断されることを指します。

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罹患率 ( りかんりつ )

ある集団で新たに病気だと診断された数を、その集団の一定期間、たとえば1年間の人口で割った数値です。「有病率」は、ある時点のある病気の患者数を単純に人口で割った数値です。

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良性腫瘍 ( りょうせいしゅよう )

進行が穏やかで転移せずに、臓器や命に重大な影響をおよぼさない腫瘍のことです。

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リンパ ( りんぱ )

体全体にはりめぐらされたリンパ管を流れる液体です。免疫に関係するリンパ球が含まれています。リンパ球には体の外から侵入してきた細菌やウイルス、自分のなかで異物に化けてしまった「がん細胞」などを敵と見なして攻撃する働きがあります。また、一度攻撃した敵の特徴を記憶し、再び侵入してきた時は素早く対応して攻撃、排除します。

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リンパ節 ( りんぱせつ )

リンパが流れるリンパ管の途中にある関所のようなもので、細菌やウイルス、がん細胞の出入りをチェックします。おおよそ1〜25mmくらいの大きさで、リンパ球の集合場所でもあります。

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リンパ節廓清 ( りんぱせつかくせい )

手術のさい、がんの周辺にあるリンパ節を切除することです。がん細胞はリンパ管を経由して転移する性質があるため、転移の可能性がある部分を取り除き再発の可能性をできるだけ小さくする意味があります。術後はリンパの流れが滞るので、むくみを生じることがあります。

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